産地と属性
中国では、穀物で作られた醸造酒を「黄酒(ホワンチュウ)」と呼び、それを長期熟成させたものは「老酒(ラオチュウ)」と呼ばれている。「紹興酒」はもち米を原料とした老酒の一種であるが、「紹興酒」を名乗ることができるのは、浙江省(せっこうしょう)の紹興市で造られた老酒だけというブランド酒となっている。
もち米のデンプンを小麦で作った麹(麦麹)によって糖化させ、酵母などを含んだ酒薬(しゅやく)を加えアルコール発酵させて作られるが、その際「鑑湖(かんこ)」と呼ばれる紹興市にある湖の水を使うことが絶対条件となっている。
アルコール度数は、14度~18度ほど。国内で販売されているものは、熟成期間が5年程度のものが最もポピュラーだが、さらに長い熟成を経た古酒(「花彫酒」と呼ばれる瓶に入ったものなど)もある。
飲み方は、常温か温める(ぬる燗)が一般的だが、ロックなどでも飲まれている。乾燥させた梅干しや砂糖(ザラメ)などを加える飲み方もある。
栄養成分の働き
ビタミンや各種ミネラルの他、必須アミノ酸も豊富に含んでいるため、食欲増進、疲労回復、消化を助けるなどの効果が期待できる。
栄養成分
たんぱく質、糖質、ビタミンB2・B3(ナイアシン)・B6、パントテン酸、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、マンガンなど
注意点
醸造酒の中でもプリン体の含有量は多めであるため、尿酸値が高い人は痛風につながる可能性がある。飲む量に注意すること。
ポイント
乳酸によるスッキリとした飲み口は、中華料理などの脂っこい料理に合う。炭酸水で割り、レモンを浮かべて飲む「ドラゴンハイボール」も近年人気となっている。