寒天

産地と属性

テングサ科の紅藻(こうそう)類の加工品。
テングサは、一般的には紅紫色だが、日なたに干して白色に退色したものを乾燥させると、寒天の原料となる。ところてんの材料と同じで、ところてんから粘質物を抽出し、固めたもの。
江戸時代が始まったばかりの1658年、京都の旅宿で食べ残しのところてんを捨てたあと、それが夜の寒さで凍結し、日中に溶けて乾物になった。これをきっかけに宿の主人が売り出したのが始まりとされている。その後、1830年ごろ、長野県の諏訪(すわ)地方に伝わり、寒天づくりの条件に恵まれた環境であったことから名物となった。
日本の特産物で、ゼラチンの約10倍もの凝固性があり、溶けにくいという特徴がある。
一般に家庭料理に使われる角寒天、高級和菓子などに使われるフレーク寒天のほか、粉末寒天、固形寒天、糸寒天などがある。
ほとんどカロリーがないことや、腸での油や糖分の吸収を抑えることからダイエット食品として注目されている。 

栄養成分の働き

成分のグラクタンは、食物繊維の一種で整腸作用がある。便をやわらかくし、便秘の解消に役立つ。便を出すときに、余分なコレステロールを体外に排出する働きもある。
低カロリーのうえ、鉄分も多く含むので貧血予防をはじめ、健康的にダイエットしたい人におすすめの食材。 

栄養成分

食物繊維、カルシウム、鉄など 

注意点

果汁などの酸を加えて煮ると、寒天の分子が分解して固まらないので、果汁を加えるときは、沸騰したあと寒天液を60~70℃に冷ましてから加える。 

ポイント

色白で透明度が高く、触ると弾力に富むものが良品である。
湿気の少ない乾燥したところに保管すれば、3年以上の保存が可能となる。
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