ノドグロ(赤むつ)

産地と属性

「ノドクロ」とも呼ばれる、スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科(スズキ科に分類されることもある)に属する魚。
正式名称はアカムツ(赤むつ)。ノドグロという名は、よく水揚げされる山陰から日本海での呼び名が徐々に全国区に広がったもの。その他、メッキン、メキン、アカウオ、ギョウスン、キンギョウオ、キンメ、メブトなど、全国各地でさまざまな呼び名がある。
アカムツというのはもともと東京都・千葉県での呼び名。脂っこいことを「むっこい」「むつこい」など表現することから、赤くて脂っこい魚、アカムツの名が生まれた。名称だけで、ムツとは異なる。
分布は太平洋西部。日本、東南アジア、オーストラリアの水深100~200mの海域に生息している。
旬は秋から冬にかけてだが、水揚げは通年ある。夏場でも脂ののったものが楽しめるのが特徴。
近年、グルメ番組などで大きく取り上げられた背景から、爆発的な人気を誇る。真のムツより、はるかに人気がある高級魚。
皮下にうまみと脂をたくわえた、とろけるような身は、「白身のトロ」と評される。

栄養成分の働き

ビタミンB1・カリウム・カルシウムが多く含まれている。
また、ノドグロはかなり脂がのった魚なので、他の魚より脂質含有量が多い。
魚の脂質にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、貴重な栄養素が含まれている。
DHAは、脳や神経組織の発育に不可欠な成分。育ち盛りの子どもや、老人などが多く摂取するとよい。
EPAは、魚に多く含まれる脂肪酸。中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする効果があるほか、動脈硬化を改善する。

栄養成分

ビタミンB1・カリウム・カルシウム、脂質(DHA・EPA)

ポイント

食べ方は、刺身、煮つけ、揚げ物、蒸し物などの他、塩焼きや干物はとりわけ美味。
昔は「病人の栄養食」ともいわれたほど、脂ののりがよく、滋養ゆたかな魚。
上品な脂には、あっさりしたレモンの果汁やポン酢がよく合う。
触って硬いもの、目が澄んでいるものを選ぶこと。
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