エゴマ油

産地と属性

シソ目シソ科シソ属の一年草。シソ(青紫蘇)とは同種の変種。原産地は、東南アジア。アジア全域では、シソ系統の品種を好む地域、エゴマ系統の品種を好む地域、両方を栽培する地域に分かれる。草丈は1.5m程度。旬は秋。
漢字表記で「荏胡麻」。食べると10年長生きできるといういわれから、方言名は「ジュウネン」。
種子はゴマと同様に、炒ってからすりつぶし、「エゴマみそ」などとして食用にされる。
岐阜県の飛騨地方では「エゴマみそ」のことを「あぶらえ」と呼び、五平もちや焼いたもちにつける、ゆでた青菜とあえるなど、生活に密着して食用されている。

栄養成分の働き

α(アルファ)-リノレン酸をはじめ、体脂肪の燃焼を助けるなどの健康によい成分が注目されている。
エゴマの種の半分近くは油で、そこからとり出したエゴマ油には、ガン抑制効果や抗アレルギー作用があるといわれる必須脂肪酸、α‐リノレン酸が豊富に含まれ、貴重な食材といえる。
アレルギー治療に効果があると考えられている、ポリフェノールが多く含まれている。また、動脈硬化症への効果にも期待できる。最近では、α‐リノレン酸やポリフェノールの一種であるルテオリンの含有量が多いため、健康食として注目されている。
リノール酸の害を抑えるα-リノレン酸は、血液をきれいにして、脳梗塞(こうそく)や、心臓病の原因である血栓を作りにくくする。血行をよくし、血液循環を促進、末梢血管を拡張するため、冷え性の改善にも効果的。
α-リノレン酸は、体内でドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)に変化し、脳や網膜などの神経細胞に作用する。脳の働きを活発にするので、認知症の予防や学習能力の向上にも有効。

栄養成分

α-リノレン酸、ポリフェノールなど

注意点

エゴマ油の知名度はまだ低く、「シソ油」の商品名で市販されていることが多い。
不飽和脂肪酸からなっているため、酸化しやすいというのが最大の欠点なので、なるべく早く使いきれる量を購入し、ドレッシングマヨネーズとして加工して利用するのが、有効成分の損失が少なく理想的な摂取法。

ポイント

エゴマ油と、酢、昆布茶、こしょうを適量づつ混ぜ合わせたものを、生・温野菜、焼き野菜などにドレッシングとしてかけて食べるとよい。
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