サトイモ(里いも)

産地と属性

インド、マレーシアなど熱帯地域が起源。山に自生するヤマイモ(自然薯)に対して里で栽培されることから、サトイモと呼ばれる。今もミクロネシアなどでは主要な食物であるタロイモの仲間で、日本には中国を経て縄文時代に渡来したといわれている。庶民の生活に根づいており、全国各地でおこなわれる秋の名物「イモ煮会」の主役はサトイモ。その歴史は古く、江戸時代、米の不作に備えてサトイモを栽培していた東北地方の農民たちが収穫祭的な意味で始めたといわれている。
サトイモ科の多年生植物。旬は、10~11月。
<主な品種>
土垂(どだれ):楕円形。粘りがあり、やわらかい。関東地方で多く食べられている。
八つ頭(やつがしら):煮崩れしにくく、正月料理など、めでたい席によく利用される。
石川イモ:小さな丸型をしている。やわらかく、やや淡白な味わい。
エビイモ:独特の栽培方法により、形がエビのように曲がっている。ホクホクして粘りけが強い。

栄養成分の働き

主成分はでんぷん。このでんぷんは、加熱すると糊化し、吸収しやすくなる。また、イモ類の中ではもっともカリウムが多い。カリウムはナトリウムを排泄し、高血圧の予防にも効果を発揮する。サトイモの皮をむくとでるぬめりは、ガラクタンという多糖類とタンパク質が結合したものに、マンナンという水溶性の食物繊維が加わった、糖タンパクの一種である。ガラクタンには脳細胞を活性化させ、免疫力を高めるはたらきがあるといわれている。

栄養成分

タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンC、カリウム、食物繊維、ビタミンE

注意点

シュウ酸カルシウムを含むため、皮をむくとき手がかゆくなることがあるので、酢で指先をぬらしておくと予防になる。
根菜だが、腐りやすいので、5℃以下の低い温度では保存しない。

ポイント

泥つきのものが日もちがよい。
皮に傷や芽がなく、湿り気のあるものが良品。
皮をむいたとき、赤い斑点や網目、変色がなく、白くてツヤのあるものが良い。
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