ソーメン(素麺、そうめん)

産地と属性

小麦粉、水、塩を練り合わせ、細くして乾燥させた麺。製造方法によって、生地を引きのばしながら熟成・乾燥させて作る「手延べ素麺」と、生地を帯状に細く切って乾燥させる「機械素麺」とに分けられる。材料や製法は冷や麦やうどんとよく似ているが、日本農林規格(JAS)では、ソーメンの太さは直径1.3mm未満(機械麺の場合)とされ、それより太い直径1.3mm以上1.7mm未満は冷や麦、1.7mm以上はうどんと分類されている。また、乾麺が一般的だが、一部には生麺もある。

由来は、古代中国の縄で編んだような棒状の菓子である「索餅(さくべい)」が奈良時代の日本に伝わり、それが室町時代に現在のような形状になって「索麺(さうめん)」と呼ばれるようになり、素麺の字があてられるようになったという説が有力。国内での発祥の地は、奈良県桜井市とされている。

東北から九州まで全国各地で作られているが、著名な産地としては、発祥の地とされる奈良県桜井市の三輪素麺、「揖保乃糸」ブランドで有名な播州素麺(兵庫県)、長崎県南島原市の島原素麺などがある。

また、海苔や抹茶、梅やオリーブなど、さまざまな材料を練り込んだバリエーションが多数存在する。

栄養成分の働き

炭水化物は、体内でブドウ糖に分解されて体を動かすエネルギー源になる。のど越しが良いため、ついつい食べ過ぎてしまうソーメンだが、炭水化物はとり過ぎると肥満の原因になり、逆に不足すると身体が疲れやすくなる。また、脳を働かせるエネルギー源でもあるため、不足すると記憶力や判断力が低下したり、神経機能に支障が出たりする可能性もある。

食物繊維は、体の中の老廃物を排出し、生活習慣病の予防や改善に効果がある。

必須ミネラルのひとつであるセレンも、体内の有毒物質を排出する働きがあり、強い抗酸化作用があるため、細胞の老化を防止する効果がある。

モリブデンは、鉄分の働きを促して貧血を予防・改善する効果がある。

栄養成分

炭水化物、食物繊維、セレン、モリブデンなど。

注意点

「ソーメンカボチャ」や「イカソーメン」、「魚素麺」など、ソーメンとは無関係ながらその名がつくものがあるが、そのほとんどは細く長く束状になって供される料理であり、ソーメンの形状に似ているところから名づけられたもの。

ポイント

夏場に冷やして食べるのが一般的だが、暖かい汁に入れて食べる「にゅうめん」もある。ちなみに、にゅうめんとは「煮麺」が訛ったものとされている。

保存性が優れた乾麺だが、他の麺に比べ害虫がつきやすいため保存する場合は注意が必要となる。一方、長期間保存されて油分が抜けたものは、口当たりが良くなるという特長もある。手延べ麺の場合、製造後3年6ヵ月を賞味期間としているものが多い。

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