ローズヒップティー

産地と属性

バラ科バラ属の野バラの実。
原産地は南米、ヨーロッパ。日本では、おもに北海道で栽培される。
3~6センチほどの野バラの実を乾燥させ、種を取り除いてお茶として飲用されている。北ヨーロッパでは、古来より冬の間ビタミンC不足から起きる病気を防ぐために愛飲され、「北国のレモン」といわれている。
収穫時期は9~11月。日本では5~6月。
色は赤く、さわやかな甘酸っぱさが特徴。
収穫時期や加工方法の違いによって、早摘みと完熟の2種類がある。早摘みは完熟よりビタミンCが多く、酸味が少ないのが特徴。完熟は酸味が強く、ローズヒップらしい味わいが好まれている。レモンの約20倍のビタミンCが含まれ、「ビタミンの爆弾」の異名をもつ。

栄養成分の働き

ビタミンCは、コラーゲンの合成をはじめ、免疫力の強化、解毒作用、抗酸化作用、血中コレステロール量の低下、メラニンの合成の抑制など、たくさんの役割を担っている。通常、ビタミンCは熱に弱いのが難点だが、ローズヒップにはビタミンCを保護する働きのあるビタミンP(フラボノイド)も多く含まれているので、加熱しても壊れることはない。
リコピンにはビタミンEの10倍もの抗酸化作用があるといわれ、生活習慣病の予防効果が期待されている。また、ビタミンCの吸収を助ける働きもある。
β(ベータ)‐カロテンは、体内でビタミンAに変わる「プロビタミンA」と呼ばれている。抗酸化作用の強い物質で、体内の粘膜を保護して免疫機能を高める働きをしている。
カルシウムは、骨や歯の形成を助けているほか、神経伝達物質をコントロールして精神が不安定になるのを防いでいる。

栄養成分

ビタミンC、リコピン、β-カロテン、カルシウム、鉄、食物繊維など

注意点

飲みすぎると、下痢を起こすことがある。
熱湯で抽出して飲むため、産地や栽培方法などの情報が開示してある無農薬のものを選ぶ。

ポイント

ティーポットに沸騰したお湯を注ぎ、3~5分蒸らして十分に赤みが出たら飲みごろ。長く置いておくと、食物繊維の一種であるペクチンが抽出されるが、苦みも増す。
ノンカフェインなので、妊娠中や授乳中の女性や、子どもでも安心して飲める。
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