クズ(葛)

産地と属性

マメ科クズ属で、つる性多年草。
原産地は、東アジアから東南アジア。河原や野原に自生し、日本でも各地でみられる秋の七草の一つ。
根に含まれる大量のでんぷんを精製して作られる食用の粉を「くず粉」といい、てんぷん類のなかでは最高級品とされる。おもに「くずもち」や「くず切り」などの菓子の原料となる。
旬は、根の有効成分が春から夏、秋にかけて茎、葉へ移行する。
名前の由来にかかわる説はさまざまで、産地である国栖(くず)村からという説、まかずに生えるので「まかず」と呼ばれ、それが転じて「くず」になったという説などがある。
西日本発祥の「くずもち」はくず粉から作るが、東日本発祥のものは「久寿餅」と書き、小麦粉のでんぷんから作る。また、沖縄のくずもちは、「いもくず」と呼ばれるサツマイモでんぷんを使う。
漢方薬に最も多く配合される薬草で、根は「葛根」(かっこん)といい、発汗や解熱、けいれんを軽減させる薬として使われる。 

栄養成分の働き(くず粉)

良質なでんぷんが多量に含まれている。これはエネルギー源となる栄養素で、体内の組織をつくる。消化がよく、胃腸に負担をかけずにエネルギーがとれる。
イソフラボン配糖体を含み、カルシウムを逃さずに守る働きがあるため、丈夫な骨や歯の形成に役立つ。
ダイゼイン配糖体を含んでおり、がん細胞を成長させる酵素の働きを抑える作用があるとされている。
フラボノイド配糖体を含み、胃の痛みをやわらげて消化を助け、食欲を増進させる。
ステロールには、肝臓で働き、悪玉コレステロールを胆汁に変えて排泄(はいせつ)の促進を助ける働きがある。 

栄養成分

でんぷん、イソフラボン配糖体、ダイゼイン配糖体、フラボノイド配糖体、ステロールなど 

ポイント

花は、水に煎じて飲むと二日酔いによい。
くず湯には、体を温め、のどの渇きを止めるほか、熱を下げ、首や肩、背中のこりや痛みをやわらげる作用もある。
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