シロ菜(しろな)

産地と属性

アブラナ科アブラナ属でハクサイ(白菜)の仲間だが、ハクサイは葉を巻いて結球するのに対し、シロ菜は結球しない。ハクサイと漬け菜の一種である「タイサイ(体菜,たいな)」が交雑して生まれた品種とされ、大阪周辺では江戸時代頃から栽培されてきた。そのため関西地方では「大阪しろな」「天満菜(てんまんな)」とも呼ぶ。その一方、中国の山東省が原産地で半結球タイプのハクサイの一種である「山東菜(さんとうな,サントウサイ)」が、明治時代に輸入されて広まったという説もある。

一年中栽培されているため旬はないが、冬のものの方が葉に厚みが出て甘みも増す。運送の途中で傷みやすい都市近郊型野菜のため、関西の市場ではポピュラーだが、それ以外の市場にあまり出回ることがない。

栄養成分の働き

β-カロテンは、体内に取り入れることで一部がビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康を保つ。また、強い抗酸化作用があるため、老化の原因となる活性酸素を除去する効果がある。脂質と一緒に摂ると吸収率が高まるため、シロ菜の場合は油で炒めるなどすると良い。

カリウムはナトリウムと共に細胞の浸透圧の維持・調整を行う。カリウムとナトリウムのバランスがとれなくなると、むくみなどの症状につながる。カリウムを多く含むシロ菜を摂取することは、むくみ対策にもなる。

カルシウムは人間の骨や歯をつくるために重要な働きをする成分。不足すると、骨粗鬆症の原因などになる。また、神経の伝達を正常に保ち、イライラなどの興奮を沈める作用がある。

食物繊維は、腸内で老廃物の運搬係として働き、不要な物質を体外へ排出する役割がある。また、コレステロール値を低下させたり、糖質の吸収を抑制するなどの作用がある。

栄養成分

β-カロテン、カリウム、カルシウム、食物繊維など

注意点

選ぶ際は、白い軸の部分にハリと艶があり、葉先までスッとたっているものが良い。また、痛みが早いため、根本が茶色くなっていたり、葉先の緑が薄くなっているものは避けること。

ポイント

家庭菜園でも育てやすいため、市場で手に入りにくい場合は、プランターなどで育てると良い。

傷みやすい食材のため、できるだけ買ったその日に調理する方が良い。保存するのであれば、水で軽く湿らした新聞紙などにくるんで冷蔵庫の野菜室へ。極力水分を失わないようにして、少しでも長く鮮度を保つようにすること。

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