ナタマメ(なた豆)

産地と属性

マメ科ナタマメ属の一年草で、和名では「刀豆(たちまめ)」、「鉈豆(なたまめ)」という。
原産地は熱帯アジア。世界各地に広がって食用・飼料目的で栽培されているが、おもな生産国は中国である。
日本には、江戸時代初期に中国より渡来し、1967年に出版された『農業全書』では、「刀豆」が「ナタマメ」として記述されている。現在では、おもに鹿児島県で生産されている。
マメ科のなかで最も大きく成長する緑色のさやは、長さが30~50㎝にもなり、そのなかには10~14粒の種子が入っている。
一般に、白い種子がとれる「白ナタマメ」の若いさやを食用とし、漬物などに調理され、とくに福神漬が有名。ほかには、白あんの材料にもなっている。
種子は、古くから漢方薬やお茶などに使用され、近年では健康茶の原料になっている。 

栄養成分の働き

たんぱく質成分であるコンカナバリンAを含んでおり、赤血球を固まらせる作用や、がん細胞の増殖を抑制する作用、細胞の活性化による免疫力向上作用の働きをする。また、尿素の分解に作用することで腎臓機能の働きを助ける。
種子をゆでた際に出る泡は、サポニンという苦み・渋み成分で、コレステロールの除去や脂肪代謝の促進に働く。
ほかには、貧血予防に効果的な鉄や、骨の健康維持に働くマグネシウムやカルシムなどが含まれている。 

栄養成分

たんぱく質、カルシウム、鉄、マグネシウム、リン、カリウム、亜鉛など 

注意点

完熟した種子には、赤血球を溶かす作用をもつ有毒な成分が含まれているため、生や不十分な加熱調理で食べない。 

ポイント

種子を食べる場合は、塩水を沸騰させて何回もゆでてから調理する。
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