ナマコ

産地と属性

棘皮(キョクヒ)動物門に属するナマコ類。漢字では「海鼠」と書く。
世界じゅうに生息し、日本では北海道から九州の沿岸にかけて生息している。
種類は多いが、食用で利用されるのは、「黒ナマコ」「青ナマコ」「赤ナマコ」の数種類。
各地で加工した特産物が多く、はらわたを塩辛にした石川県の「このわた」は有名である。
漁獲量は、北海道、山口県、青森県などが多い。
こりこりとした食感が特徴である。
日本では生食されることが多く、中国では乾燥したものが使われている。中国では高級食材として重宝され、朝鮮人参のような滋養強壮効果があることから、海の人参という意味で「海参(ハイシェン)」と呼び、漢方薬や薬膳料理にも使っている。
栄養成分のサポニンが注目され、石けんやシャンプーなどの原材料として使われている。 

栄養成分の働き

マグネシウムが豊富で、またカルシウムも含むため、健康な歯と骨をつくるのに役立つ。
たんぱく質であるコラーゲンを含み、皮ふの老廃物を除去する働きや、美肌作用、老化予防に有効。関節炎や骨粗しょう症の予防、眼精疲労、がん予防、頭皮や髪の健康にも働く。
亜鉛は、味覚を正常に保つ働きをする。
ビタミンB1を含み、皮ふや粘膜の健康を助けたり、脳神経系の維持にも働く。
ビタミンEは、カルシウムとリンの吸収を促進し、丈夫な骨を形成する働きがある。
コンドロイチンが含まれており、関節をスムーズに動かすためのクッション材となり痛みをやわらげる働きや、関節をおおう膜のようなものを修復するため、関節痛や神経痛などに効果が期待できる。 

栄養成分

たんぱく質(とくにコラーゲン)、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB1・D、コンドロイチン、ホロトキシンなど 

注意点

胃腸の弱い人は、生よりも、消化吸収の早い乾燥したものがよい。 

ポイント

生で食べる場合は、香りが強いため、酢を使ってやわらげる。
乾燥したものは、加熱する料理に向いている。
料理としては、酢の物が一般的だが、炒め物やスープにも適している。
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