マタタビ

産地と属性

マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本(らくようつるせいもくほん)。
漢字では「木天蓼」と書く。別名「夏梅(なつうめ)」ともいい、日本各地の山林に自生する。
道中で疲れた旅人が、マタタビを食べたところ、再び旅を続けることができるようになったという、「又旅」に由来するという説や、アイヌ語の呼び名「マタタンプ」からくるとの説、古くに呼ばれた、「和多々比(わたたび)」からきているという説などがある。
果実は通常ドングリ状で、なかには虫が寄生してこぶ状になるものがあり、これをゆでたり蒸して乾燥させると、木天蓼(もくてんりょう)と呼ばれる漢方薬となる。ほかにも、マタタビ酒やマタタビ茶として利用される。つるを乾燥したものを、「天木蔓(てんもくつる)」といい、こぶ状ではない実を乾燥した生薬を「天木実(てんもくじつ)」という。
「猫にまたたび」という言葉は、マタタビラクトンという成分がネコ科の動物に興奮をもたらすことからくる。

栄養成分の働き

若い芽にはビタミンCが含まれ、皮ふや粘膜の健康の維持、ストレスへの抵抗力を強める働きがある。また、抗酸化作用もあり、動脈硬化や高血圧の予防が期待できる。ビタミンAも含んでおり、成長の促進や、肌の健康の維持、のどや鼻などの粘膜を細菌から守る。
植物全体に含まれるアクチ二ジンやマタタビオールには血行の促進作用があり、冷え性を改善するとされている。また、疲労の回復にも有効。
果実に含まれるマタタビ酸は、神経の機能を高め、精神の安定に働く。また、炎症を抑える作用をもつ。
ポリガモールを含み、体内の過剰なナトリウムの排出を助ける利尿作用がある。

栄養成分

マタタビ酸、マタタビラクトン、アクチニジン、ポリガモール、ビタミンC、ビタミンAなど

注意点

ネコ科の動物に与える際は、量が多いと呼吸まひを起こしたり、昏睡状態に陥って死に至ることもあるので気をつける。

ポイント

若葉は、お茶や炊き込みご飯、天ぷらとして、若い芽は天ぷらで食せる。
つるを乾燥させて浴槽に入れると、疲労回復のための薬草としても利用できる。
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