ヤリイカ

産地と属性

ツツイカ目ヤリイカ科ヤリイカ属。
漢字では「槍烏賊」、「鑓柔魚」と書く。
全体が細長く、槍の穂先に似ていることから、この名がついた。
島根県では「テナシ(手無)」と呼び、ほかにも「ササイカ」「サヤナガ」「テッポウ」「ミズイカ」などの地方名がある。
胴体部分(外套長:がいとうちょう)は40㎝前後で細長く、脚が極端に小さいのが特徴。
オスでは外套長が40㎝を超えるものもあるが、メスは大きくても30㎝前後。
旬は2月から4月。スルメイカを「夏イカ」というのに対し、ヤリイカは「冬イカ」といわれる。
沖縄以外の、日本沿岸に生息している。
一般に国産ものが出まわることは少なく、しかも高値。ほとんどが東南アジアやアフリカからの輸入もの。
身は薄いが、味は上品で淡白。刺身にすると白く透き通って美しく、寿司ネタにすることが多い。焼いてもかたくならず、甘味が増してくる。
とくに真子(卵巣)の味わいが最高とされ、寒い時期には子持ちの煮つけが美味。
干してもやわらかく甘味があるので、各地で一夜干しも作られている。

栄養成分の働き

良質のたんぱく質を多く含みながら脂質が少ないので、カロリーは低いが、コレステロールが多い。
コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸などの原料となる一方、摂りすぎると動脈硬化などの原因となる。
しかし、コレステロールや中性脂肪を下げる効果のあるタウリンも魚肉の2倍以上含んでいるほか、抗酸化作用のあるビタミンEも多いので、コレステロールはそれほど気にする必要はない。
味覚障害を予防する亜鉛も含まれている。

栄養成分

たんぱく質、タウリン、コレステロール、亜鉛、ビタミンEなど

注意点

加熱しすぎると身がかたくなる。

ポイント

獲れた直後は透明で、時間がたつと茶色になり、もっと鮮度が落ちると白くなる。
鮮度のよいものは透明感があり、黒目と白目の境界がはっきりしていて、目全体が盛り上がっている。
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