レンズ豆

産地と属性

マメ科ヒラマメ属の一年草。和名はヒラマメ(扁豆)。原産地は西アジアから地中海沿岸。
形が凸レンズに似ていることから名づけられた、4~9ミリほどの大きさの平たい豆。収穫される地域によって色が異なり、緑、黄、褐色がある。
収穫時期は9~10月だが、日本ではほとんど栽培されていないため生が出まわることはなく、乾燥豆が使用されている。
古くは『旧約聖書』にも登場しており、レンズ豆の煮物とひき換えに、双子の兄が長子の権利を弟に譲ったという話が記されている。イタリアでは、レンズ豆の形が硬貨に似ていることから、「金持ちになれるように」との願いを込めて大晦日(みそか)の夜にレンズ豆の煮物を食べる風習がある。
煮込み料理に適しており、カレーやスープ、煮物などに用いられることが多く、インド料理、イタリア料理、フランス料理では定番の食材。
2006年3月には、アメリカの健康専門月刊誌『ヘルス』によって、世界の5大健康食品にインドのレンズ豆が選ばれたほど栄養価が高い。ちなみに、残りの4食品は日本の大豆、スペインのオリーブ油、ギリシャのヨーグルト、韓国のキムチだった。

栄養成分の働き

鉄分が豊富に含まれているので、貧血予防に効果的。
ビタミンB群は、疲労回復や美肌効果には欠かせない栄養素。ビタミンB1は「神経ビタミン」とも呼ばれ、神経機能を円滑に保つのに役立つうえ、糖質の代謝を助けて疲労回復を促す働きがある。ビタミンB2は美容ビタミンとして知られ、たんぱく質の合成にかかわる。ビタミンB6もたんぱく質の代謝を助けて肌荒れなどを予防する。ナイアシンは、かつては「ビタミンB3」と呼ばれ、糖質と脂質の代謝を助けて皮ふの炎症などを予防する。
ビタミンEには抗酸化作用があるので、細胞の老化を予防する若返りビタミンとして有名。
葉酸は健康な赤血球を造っている。
食物繊維には整腸作用があり、便秘を改善したり、不要な物質や有害物質を吸着して体外に排出する働きがある。
そのほか、豆類特有のレシチンも含まれているので、免疫力を高めて風邪などの病気を予防する。

栄養成分

たんぱく質、鉄、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6)、ナイアシン、ビタミンE、葉酸、レシチン、食物繊維など

注意点

輸入品のため産地や流通過程があいまいになることもあり、残留農薬やポストハーベストには注意する必要がある。

ポイント

水でふやかす必要がなく、そのまま料理に使えるのが利点。10~15分でゆで上がる。
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