鰹節(かつおぶし)

産地と属性

カツオの身を「節(ふし)」と呼ばれる部分に切り分け、煮熟してから乾燥させた保存食品で、和食の味付けの基本となる「出汁(だし)」を取るための素材のひとつでもある。

カツオ自体は縄文時代から食されていたが、鰹節に近い形のものが歴史に登場するのは、『古事記』(712年)に書かれた「堅魚(かたうお)」で、やわらかく傷みやすいカツオを、文字通り堅くなるまで干して食していたという記録がある。またその後、煮てから干した「煮堅魚(にかたうお)」が作られるようになり、これが鰹節の原型と言われている。

現代の鰹節は、製造方法によって以下のように分類される。

・生利節(なまりぶし):カツオを茹でて干しただけのもの

・荒節(あらぶし)/さつま節:生利節を燻製にしたもの

・本(ほんぶし)節/枯節(かれぶし)/本枯節(ほんかれぶし):荒節にカビを付け、水分を抜きながら熟成させる工程を繰り返したもの

主な生産地は鹿児島県で、国内生産量の75%ほどを占める。その他は静岡県など。

ちなみに、カツオ以外の魚を同様に加工したものに、宗田節(ソウダガツオ)、鯖節(サバ・ゴマサバ)、鯵節(ムロアジ)、鰯節(カタクチイワシ、マイワシ)などがある。

栄養成分の働き

うまみ成分のもととなるイノシン酸は、細胞を活性化して新陳代謝を促進する働きがある。

カルシウム、リン、ビタミンD、マグネシウムをバランス良く含むため、骨を丈夫にする働きがある。

セレンは、ビタミンEやビタミンDとともに活性酵素を無害化し、老化を抑えて、ガンや動脈硬化を予防する働きがある。

DHAは記憶力や学習能力を向上させる働きがあり、EPAは血液中の中性脂肪やコレステロールを下げ、血液をサラサラにする働きがある。

栄養成分

たんぱく質、脂質、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、セレン、ビタミンD、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸など

注意点

鰹節は湿気に弱く、湿度の高いところに置くとカビや雑菌が繁殖する。また、カツオブシムシ(幼虫)という害虫も付きやすい。保管する場合は、ラップするかポリ袋などに入れて、冷蔵庫で。

また、「花かつお」など削った状態のパック物の場合、開封後は密封できる容器に入れて冷凍保存すると良い。

ポイント

削らずに使える便利なパック商品には様々な種類があるため、料理によって使い分けると良い。また、鰹節を粉状にした「だし粉」(通常は鰯節のものが多い)もあるため、料理にうまみを加えたい場合などに使うと便利。

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