オーツ麦(エンバク)

産地と属性

イネ科カラスムギ属の一年草で、穂の形がツバメに似ているため、日本に上陸した当初から「エンバク(燕麦)」と呼ばれてきたが、近年は英語名の「Oat」から、オート麦やオーツ麦と呼ばれるのが一般的になっている。

原産地は、地中海沿岸から中央アジアにかけてで、これらの地域には現代でも野生種が自生している。主な生産国はロシアをはじめとして、北ヨーロッパの各国やカナダ、アメリカなど。中国内陸部で栽培されているハダカエンバクは別種。

日本では明治時代に北海道で栽培が始まったが、当時は馬など家畜の飼料として利用されていた。

オートミールは、この麦を脱穀して食べやすく加工したもので、一般的には水や牛乳などで煮て粥状にして食べる。イギリスではこの粥のことを「ポリッジ」と呼んでいる。また、オートミールに、砂糖や蜂蜜などの甘味料を加え植物油をからめてオーブンで焼いたものが「グラノーラ」であり、他にドライフルーツやナッツなどを加えたシリアルを「ミューズリー」と呼ぶ場合もある。

近年、健康食品として注目されている「オートブラン」は、オーツ麦を製粉する過程で出るフスマ(外皮など)のこと。また、「オーツミルク」は、オーツ麦に水を加えてミキサーにかけて濾したもので、牛乳・豆乳と並び第3のミルクと言われている。

栄養成分の働き

オートミールにした状態のオーツ麦は全粒穀物であり、豊富な栄養素を摂取することができる。

オーツ麦に含まれる水溶性食物繊維の大部分はβグルカンであるため、血中コレステロール値上昇抑制作用、血糖値上昇抑制作用、血圧低下作用、免疫機能調節作用などの効果がある。

また、玄米の5倍以上含まれているカルシウムは、骨や歯を強くし、骨粗鬆症を予防する効果がある。ビタミンB群は、自律神経を整える作用や疲労を回復する効果がある。

栄養成分

たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維、ビタミンB1・B2・B3・B5・B6、葉酸、ビタミンE、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、セレンなど

注意点

オートミール100gあたりに含まれる食物繊維の量は、白米の約6倍、ごぼうの約1.6倍あるため、食べ方によっては胃腸に負担をかけることになる。一度に大量に食することは避け、夜寝る前の摂取なども避けること。

ポイント

市販されているオートミールは、粒をそのまま残した「トラディショナル」、ひきわりの「クイッククッキング」、さらに細かくした「インスタント」の3種があり、食べ方によって使い分けると良い。また、粥状にして食す場合、オートミールにお湯を注ぎ、電子レンジで加熱すると時間短縮になる。

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