産地と属性
バラ科キイチゴ属に属するいくつかの種の総称。「ラズベリー」は英語名で、フランス語では「フランボワーズ」と呼ばれる。
果実の色によって赤ラズベリー、黒ラズベリー、紫ラズベリーなどがあるが、黒ラズベリーは同じキイチゴ属である「ブラックベリー」とは別の種。
最初に栽培されたのは1548年で、イギリスで行われたとの記録がある。その後、ヨーロッパ全土に広がる一方、北米でも原種の栽培が盛んになり、交配や品種改良がされて現在に至る。日本には19世紀ごろに伝わったといわれている。
国内では、北海道や長野県、宮城県、福岡県などのごく一部の地域で栽培されているが、傷みやすく日持ちがしないため、フレッシュなものが市場に出回ることはほとんどない。旬は7月~8月と10月頃。
通常、店頭に並ぶ冷蔵ラズベリーはアメリカ産などの輸入ものが中心だが、一部で国産の冷蔵ラズベリーが販売されている。また業務用などには冷凍の輸入品が使用される。他にサクサクとした食感のあるフリーズドライのものも製菓用に輸入されている。
栄養成分の働き
赤いラズベリーに多く含まれるエラグ酸はポリフェノールの一種で、ザクロやイチゴにも含まれている成分。強い抗酸化作用があり、ガンを抑制する効果や糖尿病を予防する効果のほか、アンチエイジングなど、様々な効果が期待できる。
同じポリフェノールのアントシアニンは、眼精疲労や視覚機能の改善に役立つ。
香りの成分であるラズベリーケトンは、脂肪細胞に直接働きかけて分解を促す作用があるため、ダイエット効果が期待できる。
栄養成分
炭水化物、カリウム、カルシウム、ビタミンC、葉酸、食物繊維など
注意点
冷蔵ラズベリーは、いったん開封すると傷みが早いため、できるだけ食べきった方が良い。保存する場合は、密閉容器に入れて冷蔵庫へ。保存期間は2~3日を目安にすること。
ポイント
冷凍ラズベリーは、収穫された直後に冷凍加工されているため、栄養価もそのままで、味や香りも損なわれていない。解凍すればいつでも使えるため、スムージーの材料やデザートのトッピングなど、さまざまな料理に使える手軽さがある。