キビナゴ

産地と属性

ニシン目キビナゴ科に属する魚で、漢字では「黍女子・黍魚子・吉備女子・吉備奈仔」などと書くが、どれも当て字ではないかと言われている。名前の由来は、 魚体に銀と青の帯状の模様があり、鹿児島県南部の方言で帯のことを“きび”、小魚のことを“なご”と呼ぶことから来たとの説が有力。

本州の中部以南の海域から、南太平洋・インド洋・西太平洋まで、熱帯~亜熱帯域の水のきれいな沿岸域に大きな群れを作って回遊する。

体長は成魚でも10cmほどで、旬は冬の脂がのった時期と、子持ちキビナゴが味わえる5~6月頃の2回あると言われている。水揚げ量の多い九州では鹿児島を中心に特に好まれ、刺身のほか、干物なら焼いたり、そのまま唐揚げにしたりして食されている。

栄養成分の働き

全体として栄養価が高く、骨は柔らかくそのまま食べられるため、カルシウムを必要とする人向き。脂質の中にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3脂肪酸が含まれており、成人病予防にも効果が期待できる。

栄養成分

たんぱく質、脂質、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンD、ビタミンB6・12、葉酸など

注意点

刺身にする場合は、新鮮なものを。触って張りのあるもの、銀色が鮮やかなものを選ぶこと。

ポイント

熱を通しても身が固くならないため、魚すきや柳川風の鍋にしても良い。但し、あまり火は通し過ぎないこと。

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