産地と属性
サケ目サケ科に属するサクラマスのうち、海に行かずに河川で一生を過ごすタイプの淡水魚。河川に残留する個体は「陸封型」と呼ばれ、近縁種にサツキマスの陸封型であるアマゴなどがいる。
漢字では「山女魚」「山女」などと書き、「渓流の女王」と呼ばれる。体長は20㎝程度のものから、大型のものはまれに40㎝を越えるものも。ちなみに、30㎝を越えるものは「尺ヤマメ」などと呼ばれ、渓流釣りの愛好家からは「幻の魚」とされている。
北海道から九州まで広く分布するが、現在は放流によるものが多く、アマゴやイワナとの交雑種も増えている。また資源保護のため、水域により異なるが、10月から2月頃まで禁漁期間が設けられている河川が多い。
栄養成分の働き
高たんぱく・低カロリーで、ビタミン類やミネラルなどを豊富に含む。
特に多く含まれるビタミンB12は、血液を作る作用や神経を修復する作用などがあり、眼精疲労や肩こり、神経痛などの改善効果が期待できる。また、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進するため、骨の健康維持につながる。
脂質の中にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3脂肪酸が含まれており、成人病予防などにも効果が期待できる。
栄養成分
たんぱく質、脂質、カルシウム、カリウム、リン、亜鉛、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB6・B12、葉酸など
注意点
店頭で購入する際は、パーマークと呼ばれる魚体の黒い斑文がはっきりしているもの、目の濁りがなく、触ってみて張りのあるものを選ぶこと。
ポイント
塩焼きにする場合は、皮に焦げ目がつくくらいまで、こんがりと焼く方が良い。その他の料理法としては、ムニエルやマリネにするなど。