日本酒

産地と属性

米を発酵させてつくる醸造酒。
「清酒(せいしゅ)」や単に「酒」とも呼ばれる。原産地は日本。アルコール含有量は、15~16%。米と米麹(こうじ)、水でつくったもろみに醸造アルコールのみを浸透させたものである。
歴史は古く、存在を記す記録は『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』にさかのぼる。しかし、米を原料としていることが明記されているのは、その500年後の『大隅国風土記(おおすみのくにふどき)』と『播磨国(はりまのくに)風土記』である。奈良県の明日香村には、花崗岩でつくられた巨大な「酒舟石」と呼ばれる古代遺跡がある。これは当時の酒づくりに使われた舟形の用具がモチーフとの説が有力だが、定かではない。
一般的なつくり方は、まず酒造好適米を精製したものに水分を含ませて麹菌をかけ麹をつくり、乳酸菌や酒母(しゅぼ)と呼ばれる酵母を入れて「もろみ」をつくる。もろみにアルコールを浸透させて搾ったものが「生酒(なまざけ)」と呼ばれ、それを熟成させたのが日本酒である。
産地は、兵庫県、京都府、新潟県、秋田県など、ほとんどの都道府県にわたっている。
飲み方はさまざまで、50℃ほどに温めた「熱燗(あつかん)」や、それより温度の低い「ぬる燗」、「人肌燗」、常温の「冷や」、10℃ほどに冷やした「花冷え」などがある。

栄養成分の働き

さまざまなアミノ酸を多く含んでいることが特徴。たとえばグルタミン酸は脳の機能、アラニンは免疫機能を高める。また、ロイシンは肝機能を高め、筋肉を強化に有効。アルギニンは、脂肪の代謝を促す。
酵母に含まれるS-アデノシルメチオニンには抗うつ作用があるとされ、憂うつ感の改善によいといわれる。
イノシトールを含み、コレステロールを低下させる働きをもつ。ビタミンBを含んでおり、皮ふや粘膜の健康を維持する。なお、成分の効力は熱燗にしても消えない。
適量のアルコールは血流を促し、冷えや肩こりに有効。また、リラックス効果をもたらす。

栄養成分

水分、アルコール、糖質、たんぱく質、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6、アミノ酸など

注意点

ワインやウイスキーとは異なり、自宅で熟成させることは難しい。購入後は早めに飲むようにする。
カロリーは1合で約150kcalなので、摂取量には気をつける。適量は1日2合ほど。
妊娠・授乳時の飲酒、飲み過ぎ、アルコール依存症には気をつける。

ポイント

日本酒を煮立てて、砂糖と卵を入れて混ぜ合わせ、ショウガ汁を入れた「卵酒」は、体を温め、かぜに効果的として昔から飲まれてきた。
酒粕(かす)には、血圧を下げる作用やコレステロールを減らす効果が期待できる。
37℃ほどのお湯にコップ2~3杯程度入れて入浴すると、体を温め、血圧の安定にも役立つとされる。
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