トリガイ(とり貝)

産地と属性

マルスダレガイ目ザルガイ科に属する二枚貝で、漢字では「鳥貝」と書く。

名前の由来は、黒い足の部分が鳥のくちばしに似ているからだという説と、食べた時の食感が鶏肉に似ているからだという説がある。

北海道を除く日本各地の内湾を中心に、水深10m程度までの泥底に生息する。朝鮮半島や中国の沿岸にも広く分布している。旬は、獲れる地方にもよるが4月~7月。

可食部となる足の部分は主に寿司ネタにされるが、通常スーパーなどで売られているものは「オハグロ」とも呼ばれる、開いて湯通ししたむき身で、ほとんどは韓国・中国産のもの。

一方、京都の舞鶴湾などでは、養殖により「丹後とり貝」というブランドを育てている。一般的なトリガイよりかなり大きく肉厚で、市場では高級品として扱われている。

栄養成分の働き

トリガイのたんぱく質には疲労回復や滋養強壮作用があり、炭水化物とともに疲労からの回復を早める効果が期待できる。さらにビタミンB群には、エネルギーを生み出すために欠かせない糖質・脂質・たんぱく質の分解や、代謝に必要な酵素を補酵素としてサポートする重要な働きがあるため、エネルギー不足による疲労を防ぐ効果が期待できる。

また、アミノ酸の一種であるタウリンも豊富に含む。タウリンには胆汁酸やインスリンの分泌促進作用、血圧を正常に保つ作用、血糖低下作用、肝機能の改善、血中の悪玉コレステロールを下げて善玉コレステロールを増やす作用、心筋の働きを正常に保つ作用などがある。

栄養成分

たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛

注意点

通常売られているむき身は、表面の色が濃く、色の剥がれがないもの、肉厚のものを選ぶと良い。殻付きの活貝は、触ると素早く反応する元気なものを選び、足がだらりと伸びたようなものは避けること。

ポイント

殻付きのものは、まずワタを取り除き、足の部分は開いて塩水で洗うだけで生でも食べられるが、さっと熱湯にくぐらせた方が甘みが増して味は良くなる。また、ひもの部分も食することが可能。

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