うどん

産地と属性

小麦粉に水を加えて練り、麵状に加工したものだが、それらを使った麺料理を指す場合もある。漢字では「饂飩」と書く。太さや形状には様々なものがあり、細い「冷や麦」や「ソーメン」、平らな「きしめん」なども広義のうどんに属する。

由来については諸説あり、遣唐使によって伝えられた中国の麵が国内でアレンジされたという説が有力だが、いずれにしても古くから食べられており、江戸時代にはほぼ現在の形になって全国に普及した。

製法には「手打ちうどん」と「手延べうどん」がある。両方とも小麦粉に水と塩を加えて練り、一定期間寝かせるところまでは同じだが、その後足などを使ってよく踏んでから伸ばし、包丁で切ったものを「手打ちうどん」。2本の棒を使って何度も伸ばしてつくるものを「手延べうどん」と呼ぶ。但し現在は、すべて人の手によるものよりも、一部に機械工程を加えて作られる場合が多い。

うどんの種類は地域によって様々なものがあるが、良く知られている代表的のものは以下の通り。

・稲庭(いなにわ)うどん

秋田県南部の手延べ製法の乾麺。平たく中空の細麺が特徴。日本三大うどんのひとつとされる。

・水沢うどん

群馬県渋川市伊香保町水沢のうどん。細めでコシと弾力が特徴。日本三大うどんのひとつとされる。

・ひもかわ

群馬県桐生地域の代表的な郷土料理で、平たい麺が特徴で10cmを超えるような幅広のものもある。

・ほうとう

山梨県の郷土料理。季節野菜などを入れた味噌汁に麵を入れて煮込む。うどんとは区別される場合もある。

・きしめん

愛知県名古屋市を代表する郷土料理のひとつ。平たい麺とつるりとした食感が特徴。

・氷見(ひみ)うどん

富山県氷見市で作られる手延べの細麺。加賀藩御用達のうどんで三大うどんのひとつとされる場合もある。

・伊勢うどん

三重県伊勢市周辺の郷土料理。柔らかくゆでた極太の麺に黒く濃厚なタレを絡めて食べる。

・讃岐うどん

香川県の特産品で、日本三大うどんのひとつとされる。弾力のあるコシと滑らかな食感が特徴。

・五島うどん

長崎県五島列島の乾麺。釜揚げしたものをアゴ(トビウオ)出汁のたれで食べる「地獄炊き」が有名。

栄養成分の働き

うどんの大部分は炭水化物。炭水化物は糖質と食物繊維で構成されるが、うどんは他の麺とくらべ食物繊維の比率が低く、消化可能な糖質の比率が高いため胃内での停留時間が短く、消化されやすいという特長がある。

また、うどんで使われる「つゆ」は、だしに鰹節やコンブなどを使っているため、良質なたんぱく質が含まれるほかに、アミノ酸やカルシウムなどの栄養素も豊富。だしを効かせれば味が濃く感じられるため、減塩などにも効果がある。

栄養成分

「ざるうどん」などは、のどごしも良く暑い時期などには食べやすいが、うどんと薬味だけでは栄養に偏りがでるため、ほかに野菜や肉類などの副菜を食べることが必要。その点、たくさんの具材を入れて作る「煮込みうどん」などは栄養バランスも良い。

長崎県の代表的な料理に「皿うどん」があるが、使う麺は中華の「かた焼きそば」に近い揚げ細麺であり、一般的なうどんとは別のものである。

注意点

「ざるうどん」などは、のどごしも良く暑い時期などには食べやすいが、うどんと薬味だけでは栄養に偏りがでるため、ほかに野菜や肉類などの副菜を食べることが必要。その点、たくさんの具材を入れて作る「煮込みうどん」などは栄養バランスも良い。

長崎県の代表的な料理に「皿うどん」があるが、使う麺は中華の「かた焼きそば」に近い揚げ細麺であり、一般的なうどんとは別のものである。

ポイント

一般に販売されているうどんはその状態により、「ゆでうどん」「生うどん」「半生うどん」「乾麺(干しうどん)」「冷凍うどん」「インスタント麺」などに分けられる。ゆでうどんは軽く湯通しするだけで食べられるのに対し、乾麺は茹で時間が長くかかるなど、それぞれに特徴があるため、食感の好みや調理法・調理時間によって使い分けると良い。
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