エシャロット

産地と属性

ユリ科ネギ属の多年草。
原産地は不明で、2000年ほど前に玉ネギから派生した変種といわれている。
古くからヨーロッパで栽培されており、一見すると小タマネギのようだが、中身は数個に分球している。
日本の市場に出回っているものは、ほとんどがラッキョウの軟化栽培による若どりの「エシャレット」と呼ばれるもの。エシャロットとは、種類も味も異なる。
本物は「ベルギーエシャロット」として店頭に並んでいる。
日本でも明治時代以降、各地で試験栽培されたが、高温多湿の気候に弱いため、成功には至らなかった。
日本の「ワケギ」は、エシャロットとネギの交雑種といわれている。
現在、アメリカや東南アジアでは葉を食べるために栽培され、ヨーロッパでは鱗茎(りんけい)を香辛料や薬味として利用するために栽培されている。
フランス料理やイタリア料理には欠かせない食材で、みじん切りにしたものを香味野菜としてソースやサラダドレッシングに加えたり、生食、ピクルス、煮込みなどとして用いられる。
ニンニクほど臭いが強烈でなく、タマネギほど甘くないので料理に使いやすい食材。
旬は12~1月。

栄養成分の働き

硫化アリルは香気成分で、すりおろしたりすると酵素が働き、においのもととなるアリシンに変化する。アリシンは、ビタミンB1と結合してアリチアミンという物質になって疲労回復に効果を発揮する。また、アリシンは空気に触れるとイオウ化合物に変化し、コレステロールを低下させたり、血栓を溶かしたり、血行をよくする働きをする。アリチアミンとは、体内でビタミンB1と同様の働きをする物質である。
ビタミンB1は、糖質の代謝に欠かせない栄養素で、疲労回復を助けたり、精神を安定させる作用がある。
ビタミンCは、コラーゲンの合成をはじめ、免疫力の強化、抗酸化作用、解毒作用、メラニン色素の合成を抑制するなど、さまざまな役割を担っている。

栄養成分

硫化アリル、ビタミンB1、ビタミンCなど

注意点

炒めすぎると苦みが出る。
エシャロットとエシャレットは別物なので注意して選ぶ。
冷蔵保存はしない。

ポイント

選ぶときは、褐色の薄皮がよく乾いていて、卵形の球がかたく締まり、触ると弾力があるものを。
風通しのよい場所に置くと、数週間はもつ。
タイトルとURLをコピーしました