雑穀米

産地と属性

白米にほかの穀物をブレンドした総称。
雑穀とは、あわ、ひえ、きびなどイネ科の穀物の総称であるが、一般には豆類などイネ科以外の穀物も含めて呼んでいる。混ぜる種類によって、五穀米、十穀米などがあり、種類は一定していない。
日本では古くから「五穀豊穣」という言葉に象徴されるように、米以外の雑穀も多く食べられてきた。
稲作がまだ始まっていなかった縄文時代前期には、あわ、ひえ、きび、はと麦などを主食として栽培していたといわれている。一般に使用されている穀物には、玄米、黒米、赤米、小麦、大麦、はと麦、あわ、ひえ、きび、大豆、あずき、黒豆、緑豆、とうもろこし、そば、ごま、キヌアなどがある。
ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富なため、雑穀を混ぜることで白米だけでは不足がちな栄養素を補うことができる。整腸作用、美肌効果、生活習慣病の予防効果などが期待されている。
近年、栄養価の高い健康食として多く利用されている。

栄養成分の働き

黒米:古代米の一つ。アントシアニン系の色素が含まれているので、紫色をしている。抗酸化作用があり、血管を保護して動脈硬化を予防したり、老化予防に効果的。
赤米:古代米の一つ。ポリフェノールの一種であるタンニン系の赤い色素により生理機能を高め、抗酸化作用によって生活習慣病を予防する。
発芽玄米:玄米を発芽させたもので、アミノ酸の一種であるギャバ(GABA)が豊富に含まれており、脳の働きを助けるとして注目されている。
あわ:たんぱく質や脂質、鉄分が豊富で、とくに必須アミノ酸の一つであるロイシンが多く含まれている。肝機能の向上や筋肉の強化、貧血の予防に期待できる。
きび:ビタミンB群が豊富なため、エネルギーの供給や疲労回復、老廃物の代謝に効果的。
ひえ:たんぱく質や脂質、ロイシンも多く含まれている。肝機能の向上や筋肉の強化に役立つ。
はと麦:必須アミノ酸であるロイシン、チロシン、バリンなどが含まれている。新陳代謝を高めたり、利尿作用や肌の保湿効果、解毒作用がある。
アマランサス:必須アミノ酸であるリジンやメチオニン、鉄分、マグネシウム、カルシウムなどが豊富に含まれている。免疫力を高め、生活習慣病を予防する。南米が原産。
キヌア:必須アミノ酸であるリジンやトリプトファンが豊富で、サポニンも多い。血糖値やコレステロール値を調整し、生活習慣病を予防する。南米が原産。

注意点

食物繊維が多いため、よく噛んで食べないと消化が悪くなる。とくに消化器官が未発達な乳幼児や、歯の悪い高齢者には注意が必要。 直接口に入れるものなので、産地や栽培法を確認して農薬や化学肥料の使われていないオーガニックなものを選ぶ。

ポイント

白米で炊くときより水をやや多めにし、ふつうに炊飯器で炊くだけ。
最近は雑穀米がブームであり、1回分ずつ小分けしてあるので利用しやすい。
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