鶏皮(トリカワ)

産地と属性

鶏肉のモモ、ムネ、手羽などの表面を覆っているブツブツ(細かな凹凸)のある皮のこと。「鳥肌が立つ」とは、ヒトの皮膚がそれに近い状態になることから。脂肪を多く含んでいるためカロリーは高い。そのため捨てられてしまうこともある一方、本来のプルプルとした食感と、揚げてカリッとした食感の両方が楽しめるため、さまざまに調理され食されている。前者を代表する調理法が「鶏皮ポン酢」であり、後者を代表する調理法は「鶏皮せんべい」である。

鶏皮料理で有名なものは、串にぐるぐる巻きに刺した鶏皮をタレにつけ込んで焼く博多の「とりかわ」がある。また、鶏皮の脂肪分を主原料として作られる「鶏油(チーユ)」は、中華料理やラーメンスープの香りづけに用いられる。

栄養成分の働き

一般的に「コラーゲンを多く含む食品」として知られているが、鶏皮のコラーゲンがそのまま人体のコラーゲンに置き換わることはない。たんぱく質の一種であるコラーゲンは、アミノ酸やその結合体であるペプチドなどに分解されて吸収される。

鶏皮100gにつき平均3.0mg含まれているナイアシンは、ビタミンB群の仲間でビタミンB3とも呼ばれているが、糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変換するように働きかけることで鼻や喉の粘膜、全身の皮膚を強化し、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ。また、アルコールの分解にも不可欠なビタミンで、酒のつまみにすることで二日酔防止に役立つ。

そのほか、乳酸の分解をスムーズにするアンセリン、疲労の回復に役立つ作用があるカルノシンを含むほか、血中のLDL(悪玉)コレステロールを減らす作用がある脂肪酸も豊富に含んでいる。

注意点

新鮮な鶏皮は黄色味があり、白いものは鮮度が落ちている可能性がある。鶏肉は全般的に鮮度が落ちるとドリップと呼ばれる水分が出てくるため、それが出ていないものを選ぶこと。また皮にハリがありブツブツがハッキリしているものの方が新鮮である。

ポイント

調理の際の下処理としては、まず皮の裏についた黄色い脂肪を取り除き、下ゆでしてから冷水に浸し、余分な脂やにおいを取っておくと良い。

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