ユリ根

産地と属性

ユリ科ユリ属植物の地下茎。漢字では「百合根」と書く。
原産は日本や中国など、東アジアで広く自生する。江戸時代から栽培が始まった。
おもな産地は、北海道。
7~8月にかけて花を咲かせ、10~11月くらいに収穫する。形は、葉が変形した鱗片(りんぺん=うろこ状の細片)が重なる、球形をしている。旬は冬。
栄養が豊富で、古くから漢方や食用として用いられる。
世界では100種、日本では15種ほど自生するが、食用されるのは「コオニユリ」「ヤマユリ」「オニユリ」など。
ほんのり苦みと甘みがあり、ほっくりした歯ごたえが特徴で、茶碗蒸しや甘煮、あえ物、揚げ物などに使われる。

栄養成分の働き

水溶性の食物繊維であるグルコマンナンが豊富で、整腸作用や便秘の改善に効果がある。また、コレステロール値や血糖値の上昇を抑え、高脂血症の改善や糖尿病の予防にも効果が期待できる。
良質なでんぷんが多く含まれており、強壮作用や胃の粘膜を守る作用がある。
特殊な生理・薬理作用をもつものが多い有機化合物「アルカロイド」が、不眠症や精神の安定をもたらすといわれている。

栄養成分

糖質、たんぱく質、食物繊維(グルコマンナン)、カリウム、ビタミンC、B1、B2、鉄、カルシウムなど

注意点

煮くずれしやすいので、鱗片1枚ずつの縁を形なりにむいて、塩と酢少々加えた熱湯でゆでる。
洗わず、おがくずに入れて冷蔵すれば、1か月はもつ。

ポイント

外皮に傷がついていたり、変色しているものは避け、張りがあり、よく締まったものを選ぶ。
保存するときは、新聞紙などに包み、涼しいところにおく。
漢方では、イライラや情緒の不安定、せき、ぜん息、気管支炎の症状をやわらげるとされている。
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