辛子明太子

産地と属性

スケトウダラの卵巣(明太子)を漬け込み液に漬けて塩タラコを製造(塩蔵)し、その後唐辛子や調味料を加えた二次漬け込み液に漬け込むことによって「辛子明太子」となる。明太子とは朝鮮語でスケトウダラのことを「明太」と呼ぶことにちなむ。

なお、塩蔵したタラコを「生タラコ」と区別するために「明太子」または「明太」と呼ぶ場合と、辛子明太子を「明太子」または「明太」と略して呼ぶこともあり、注意が必要。

歴史的には、朝鮮半島で作られていたスケトウダラの卵巣の辛子漬けである「明卵漬(ミョンランジョ)」が原型だが、この明卵漬は大量のトウガラシにニンニクなどを加えて漬け込んであり、表面にトウガラシがまぶしてあるように見えるため「まぶし型」辛子明太子とも呼ばれている。この明太子が福岡の博多に伝えられた際に、漬け込み液などを工夫して日本人の味覚に合うように「漬け込み型」に改良したものが、現在の辛子明太子となった。

栄養成分とその働き

栄養成分としてはタラコとほぼ同じ(※タラコを参照のこと)だが、唐辛子の成分であるカプサイシンが含まれている。カプサイシンは、体脂肪を燃焼させ、発汗や血行を促進して、肥満や老化の予防に役立つ。また食欲を増進させる効果もある。

但し、タラコ同様にカロリーは高めで、塩分も含まれているため、食べ過ぎには注意すること。

注意点

使い切れなかった辛子明太子は、冷凍保存すると良い。保存の際は乾燥を避けるために1本ずつラップでくるみ、保存袋に入れること。保存期間は2ヶ月を目安とし、解凍する場合は冷蔵庫で半日~1日かけてゆっくり解凍する。

ポイント

卵巣の形がそのまま維持されているものは「真子(まこ)」と呼ばれ、比較的高値なため主に贈答品などに用いられる。一方皮が切れたり、形が崩れたりしたものは「切れ子(きれこ)」と呼ばれ、比較的安価なため家庭用に使われることが多い。さらに、固まりがなく粒だけの状態のものは「ばら子」と呼ばれる。通常は業務用として使用されることが多く、チューブに入ったものなどはこのばら子を使用している。購入の際は、目的に応じて使い分けると良い。

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