高菜(タカナ)

産地と属性

アブラナ科アブラナ属の越年草で、芥子菜(カラシナ)の変種。近縁の種にザーサイやカツオ菜などがある。旬は冬で、大きなものは80cmほどにまで成長する。

原産地は中国大陸で、日本には平安時代に伝来していたとの記録があるが、国内で本格的に栽培されるようになったのは、明治になってから。福岡県、和歌山県、山形県で栽培が始まり、そのうちの山形県のものは青菜(セイサイ)と呼ばれている。

葉や茎に辛味があるが、その成分はカラシナから取れる「和からし」と同じもの。最も一般的な食べ方は、漬け物の「高菜漬け」で、野沢菜・広島菜と共に「日本三大漬け菜」と言われている。

高菜漬けには、美しい緑色を保つために塩分を控えて冷凍加工した「新高菜漬」と、乳酸発酵によって熟成させたべっ甲色で特有の香りがある「古高菜漬」とがある。

栄養成分の働き

辛味のもとはアリルイソチオシアネート(イソチオシアン酸アリル)という成分で、殺菌効果や抗菌効果が高く、胃液を分泌させて消化を促すため、食欲を増進させる。また、血液をサラサラにして動脈硬化や高血圧を予防する効果や、ガン予防などの効果も期待されている。

高菜漬けにすることで、水分が抜け栄養素が凝縮されるため、水に溶け出してしまうビタミンCや葉酸は少なくなるが、それ以外の栄養価は生のものより高くなる。

栄養成分

食物繊維、たんぱく質、βカロテン、ビタミンK、ビタミンB1・B2、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム、鉄など

注意点

生のものは、漬物以外では通常炒め物などに使用するが、「雲仙こぶ高菜」など種類によっては苦みが少ないため、サラダなどにして生食することが可能なものがある。

生のものを保存するときは、湿らせたキッチンペーパーなどに包んでポリ袋に入れ、冷蔵保存すること。

ポイント

高菜漬けには、明太子など他の差材と合わせたものや油炒めにしたもの、細かく刻んだものなど、様々な加工品がある。それぞれの特徴を生かして使い分けると良い。

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