こごみ

産地と属性

シダ植物であるクサソテツ(草蘇鉄)の若芽のことで、漢字では「屈」と書く。

名前の由来は、人や動物が小さく丸まってかがんでいる姿を「こごむ」と表現する地方があり、若芽の先端が葉を巻き込んでいる様子がそのように見えることから来ている。

野山に自生している山菜の一種で、3月頃から芽を出しはじめ、高地では6月頃まで収穫できる。近年はハウス栽培もされるようになり、スーパーなどに並ぶようになっている。ハウスものは、秋田県や山形県のほかに和歌山県や徳島県でも栽培されている。

栄養成分の働き

不溶性食物繊維を豊富に含むため、腸の動きを活発にさせるとともに、身体に有害な物質を吸着して便とともに排出する働きが期待できる。

鮮やかな緑色にはβカロテンが豊富に含まれている。βカロテンは、体内でビタミンAとして働き、肌の健康を維持したり、粘膜を守るなどの働きがある。また、抗酸化作用が強いため、活性酸素を抑え、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つ。

同じように抗酸化作用の強いビタミンEの他、カルシウムを骨に定着させる働きがあるビタミンK、免疫力を高めるビタミンCも含んでいる。

栄養成分

食物繊維、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、銅、葉酸など

注意点

山菜の多くは、あくが強いものやえぐみのあるものが多いが、こごみの場合はあく抜きも不要で、採ったばかりのものは生でも食すことができる。但し、食物繊維が多いため、一度に大量に食べると下痢などをおこすことがあるので注意すること。

ポイント

おひたしや和え物にする場合は、さっと茹でる必要があるが、天ぷらやフライにする場合は下茹でする必要はない。

ワラビやゼンマイなどのように、乾燥保存はできないため、保存する場合は軽く茹でてから冷凍保存すると良い。

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