ホンビノス貝

産地と属性

マルスダレガイ科ビノスガイ属の二枚貝で、漢字では「本美之主貝」と書く。名前の由来はローマ神話の女神ビーナスが元で、「美之主」と当て字にしたことからだが、本来は北海道で獲れる別種のビノスガイに与えられた名称であった。

原産地は、北アメリカ大陸の東海岸。有名なクラムチャウダーの他、生でも食されてきたが、現在はアメリカ西海岸、ヨーロッパ、中国、台湾などにも移入されている。

日本では、1990年代に東京湾において移入が確認された。アサリなどが減ってきた市川市や船橋市では積極的に収穫されるようになり、2000年頃から関東の市場を中心に出回るようになった。現在も主な産地は千葉県。

殻は最大で10cm以上になる比較的大型の貝で、ハマグリに似ているが、殻が厚く丸みが強い。「シロハマグリ(白はまぐり)」という名称で市場に出ていた時期もある。

ハマグリやアサリに比べ海洋汚染に強いため、近年は収穫量も増えており、千葉県は2017年に「三番瀬産ホンビノス貝」を千葉ブランド水産物に選んでいる。

栄養成分の働き

同じマルスダレガイ科のアサリハマグリと同じ栄養成分を持つとされているが、うま味成分であるコハク酸は他の貝より多いと言われている。

コハク酸はエネルギーの代謝に関わる成分で、疲労回復に効果を発揮する他、血流を良くし、新陳代謝を高める効果があるとされている。また、美肌や肌荒れに効果があるため、化粧水などにも利用される成分でもある。

栄養成分

基本的には、アサリハマグリと同じ栄養成分を持つとされている。

注意点

アサリやハマグリに比べて塩気がやや強いため、味付けには注意が必要。

また、砂泥底に住む貝のため、汚染の度合いは低いとは言えない。常食したり、一度に大量に食するのは避けること。

ポイント

最初から半開きのものや、臭いのあるものは取り除くこと。

砂抜きは不要と言われることもあるが、できれば海水程度の塩水に一晩漬けておくと良い。

そのまま焼き貝にする場合は、片方の殻を外して砂を流してから、火にかけると良い。

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