産地と属性
ダチョウ(オーストリッチ)は言わずと知れた大型の鳥類で、その肉が食用として注目されはじめたのは、ヨーロッパでBSE問題が勃発したのが契機になったと言われている。鳥類のほとんどは白身肉であるのに対し、ダチョウは赤身肉で、牛肉の代替肉として消費されるようになったためである。
国内で消費されるダチョウ肉のほとんどは輸入されたもので、輸入元は南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランドなど。ただし、国内でも少数ながら飼育・生産されている。
ダチョウは成長が早く、孵化してから7ヶ月~1年ほどで食肉として出荷できること、植物食を中心にした雑食性で穀物飼料などに依存しなくても育つこと、年間50~100個近い卵を産み繁殖力が強いことなどから、環境への負荷が少ない家畜として将来性を期待する声も多い。
ちなみに、平均的なダチョウは体長2m、体重100kgで、食用にされる肉は体重の30~40%。体重と使える肉の量は豚とほぼ同じといわれている。
肉は低カロリー、低脂肪、低コレステロールで、食感は子牛肉に近い。また、生食も可能なため、様々な料理に使うことができる。
栄養成分の働き
ダチョウのモモ肉は、牛のモモ肉(赤身)とくらべるとカロリーは約半分、たんぱく質量はやや劣るものの、脂質は1/3、コレステロールも2/3であり、栄養バランスに優れている。
また鉄分も他の肉類とくらべて多く、女性にも嬉しい食材となっている。
脂肪の燃焼を助けるカルニチンや、運動機能を向上させると言われるクレアチンなどのアミノ酸を含むため、近年はアスリート向けの食材としても注目されている。
栄養成分
たんぱく質、脂質、鉄、ビタミンB1・B2など
注意点
脂肪分が少ないため、ステーキなどにするときには焼き過ぎに注意すること。焼き過ぎると固くパサパサになるため、レア位の焼き加減で。
ポイント
モモ肉はクセのない味のため、色々な味付けや調理方法が可能。その他、ネック・ハツ(心臓)・レバー(肝臓)・砂肝などの部位があり、各部位の特色を生かした調理法で楽しむことができる。