産地と属性
イセエビ科イセエビ属に分類される体長20~30㎝の大型のエビ。名前の由来は、伊勢で多く獲れたからとする説と、磯(浅い岩礁)に住んでいるエビのため当初は「イソエビ」と呼ばれていたものが「イセエビ」になったとする説などある。
産地は、茨城以南の太平洋側の海で、韓国や台湾などでも獲れる。伊勢の他、相模湾では「鎌倉エビ」、千葉では「外房イセエビ」と呼ばれており、それぞれ主要産地となっている。
年間を通して出回っているが、旬は秋から冬にかけて。養殖が実現していないため、すべて天然物となっている。5月から8月は産卵期にあたるため、禁漁にしている地域もある。
古くから縁起物として正月飾りに使われたり、結婚式などのおめでたい席で供されてきた。
栄養成分とその働き
エビ類のなかでも、イセエビは「若返りのビタミン」と言われるビタミンEが豊富に含まれている。ビタミンEは細胞の酸化を抑え、老化を防止する効果や末梢血管を広げ血行を良くする働きがある。
また、免疫力の向上・疲労回復に効果があるアルギニンや、血圧を正常に保ち、アルコールの分解を助けるタウリン、エビやカニなどが持つ天然の赤い色素で、強い抗酸化力のあるアスタキサンチンなどを含んでいる。
栄養成分
たんぱく質、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン、銅、ビタミンB6・B12など
注意点
活きのよいものは、調理する前に氷水につけるとおとなしくなり、調理しやすくなる。
冷凍のものを解凍する場合は、ボウルに入れ流水で15~30分程かけて解凍すること。
ポイント
刺身にする場合、頭や殻などは捨てずに、みそ汁にすると良い出汁がでる。また、身はそのままの食感も良いが、氷水でしめると歯ごたえのある食感が楽しめる。